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住まいの特徴
厨子(つし)二階と本瓦葺
明治頃までは厨子二階と呼ばれる低い2階建で2階部分は物置や使用人部屋でした。年代が新しくなるにつれて建ちが高くなり、やがて総二階となります。屋根瓦は本瓦葺の伝統が大正期頃まで強く残っています。
虫籠窓(むしこまど)
近世~近代初頭頃の建物の2階に見られる窓で、格子を漆喰で塗り籠めています。単純な四角形か木瓜(もっこう)型に分かれますが、周囲に額縁を施した重厚なものなど、様々なデザインがあります。
幕板(まくいた)
庇の軒先に下げられている木製の板を幕板といいます。これは、雨水や霧状になった雨粒が屋内に吹き込むのを防ぐためのものです。降水量の多い地域ならではの意匠上のポイントでもあります。
格子(こうし)
古くは、トオリニワ横のミセには取外し可能な高さ3尺程度の手摺状の格子、ミセオクの表には繊細な切子格子が建て込まれています。
大正期以降になると長大な出格子が多く見られるようになります。