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有田川を渡り糸我の集落を抜けると、糸我峠に入ります。峠の頂上を少し過ぎると、湯浅町の町並みや湯浅湾の眺望が開けます。
峠には、2軒の茶店があったそうです。穴に貯えておいたみかんを、夏場でも旅人に提供していたそうで、非常に好評だった様子が『紀伊国名所図会』にも掲載されています。
糸我峠は、『平家物語』で、平忠盛が白河院から賜った祇園女御が出産したことを院に報告し、その子に清盛と名付けたという説話の舞台でもあります。
峠を下っていく途中には、平清盛が連れていた子が夜泣きをした際に、そこにあった松を焚いたところ泣き止んだという「夜泣松」の言い伝えが残されています。
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