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糸我峠を下りきると、吉川の集落に入ります。
逆川王子跡は、熊野古道と栖原方面へと続く道の交差点から少し西に進んだ場所にあります。
古くは広大な境内地を有していましたが、今は規模は縮小され、逆川神社として地域の人々に信仰されています。
現在の本殿は昭和12年(1937年)に吉川の人々によって再興されたものです。
南に流れる逆川(さかがわ)は、海とは反対の東に向けて流れる川で、さかさま川とも言われていました。
熊野参詣の人々はこの川で禊(みそぎ)を行い、身を清めたとされています。近くの吉川老人憩の家前には、過去に逆川の中にあり禊の際に使われたとされる行者石という大きな石が置かれています。