地元の人々が「立石」と呼ぶこの道標は、天保9年(1838年)に建てられた高さ2.35メートルの大きなものです。
北面に「すぐ熊野道」(熊野道はまっすぐ)、東面には北を指さして「きみゐてら」、南面は「右いせかうや道」と書かれています。
ここは、南北に通る熊野古道と、ここから東に延び高野山へと至る高野街道の起点であり、まさに交通の要となる場所でした。往時の人々の往来の賑やかさが目に浮かぶようです。
道町通りは、かつて旅人向けのお茶屋さんや宿などが並び、その後は商店街として賑わいをみせた通りで、町場を通る熊野古道という他では見られない景観を感じることができます。
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